1964年12月4日英国でビートルズ4枚目のアルバムが発売された。クリスマス商戦に間に合わせて即興的につくられた感のあるアルバムは、それをストレートに表し「ビートルズ・フォー・セール」というタイトルがつけられた。昨年大々的に企画された人気投票においては、最も投票数の少ないアルバムとなった
そのオープニングを飾っている曲が「ノーリプライ」。米英ではシングルカットされず、ベストアルバムにも選曲されていないことからビートルズファン以外には、あまり知られていない。それでも個人として最も好きなビートルズナンバーなのである
ビートルズ前期の魅力を凝縮した名曲だと思っている。なによりも、このナンバーでのジョン・レノンの声は誰にも真似ができない、特別なもの
「返事がない」という意味のタイトル、電話をしても尋ねても居留守を使う彼女のことをネチネチと綴った歌詞、こういった曲をうたわせたらジョンの右に出るものはいない
知合いのミュージシャンが「不良でなければ出せない音があるんだ」と語っていたのを思い出す
両親に捨てられた幼い「孤独感」は高度成長期に日本で生まれた私などが知る由もないが、「ロックだけがリアルだった」と語るジョンの魂は、誰の心にも届くのである
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