我が国の銀行が初めてコンピュータシステムを稼働させたのは1958年と言われている。1960年代は金融系中心に導入が拡大した時期となる。
その当時はバッチと言われる一括処理がメインであり、膨大なデータを扱う金融系業務はシステム的に融合した。
1970年代には第1次オンラインと呼ばれる回線を使った会話処理が発展した。CD(現金支払機)が登場するのは1980年以降のことだ
金融系企業は導入時期からして先進的だったのだ
その金融系システムは想像を超えるほどの巨大なものであり、その開発費用及び制度改正等によるメンテナンス費用も巨大なものである
そんな中、コンピュータは日進月歩に進化した。ダウンサイジングの流れである。
しかし、巨大なものほど身動きは重くなる。膨大なプログラム資産を作り直すのは、費用、期間、リスク等から並大抵のことではない。システムに問題があれば、お金が絡むだけに大きなニュースになったりもする
結果、1960〜1970年代に開発されたブログラムが稼働している金融系システムも珍しくない。プログラム制作は基本技術者の手作業となる。知合いの金融系システムエンジニアの現場には2000人を超える技術者が就業していると聞く
「古い金融系システムは金食い虫、それに携わるシステムエンジニアは体力勝負のIT土方」とは知人の言葉。波はあるにせよ、古いシステムは若手がやりたがらないので微妙に人材不足だとか。それに1960年代に開発に携わったエンジニアは既に引退している
目に見えるATMを始めとして日々使い勝手が良くなる金融系システム、その裏側には信じられないような労力が払われているのだ
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