1966年は干支が丙午という理由で出生が激減した。前年比25%減というのだから相当なものだ。日本は平安期から暦に記された吉凶にまつわる記号を日々意識しながら生活していた。丙午は江戸時代のある事件により生まれた迷信とされる。
幼い頃、年配の女性から生まれ年の干支をよく聞かれた記憶がある。旧暦から新暦に変わり非科学的な迷信等を払拭した明治政府だが、干支と六曜は戦後になっても意識され続けた
丙午生まれの女性は気性が激しく夫の命を縮めるとの言い伝えがある。1906年丙午において、多くの女性が婚期を逃したという。その事実が60年後の1966年に影響したことになる。干支は60干支と言われ60年周期で循環している。自身の生まれた干支が巡ってくるのは、60歳になった時、それを祝うのが還暦。
次の丙午は2026年になる。その時は吉凶で出生が減ることはないと思うが、すでに出生数は1989年から1966年の約137万人を下回っている。
吉凶で言うなら現代の人口減そのものが「凶」である。この世は全て陰陽、「吉」とは?
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